「死にたい」→「生きろ!」

先日起こった安楽死を望むALS患者に対する嘱託殺人事件ですが、個人的にはいろいろ思うことがあります。


大前提として、自殺幇助は犯罪なので逮捕された医師2人は有罪です。



報道を見ると、安楽死と尊厳死が同列に扱われているように感じますが、安楽死と尊厳死は別のものです。


安楽死の定義は、大まかに伝えるのなら


「回復の見込みのない耐え難い苦痛を死によって取り除く」


というものです。



対して尊厳死の定義は、


「人工的な生命維持を行わず自然な死を迎える」


というものです。


(この辺に関しては僕は専門ではないので、間違っていたらごめんなさい)



今回の嘱託殺人は患者本人が安楽死を願い、賛同した医師に依頼をして行われました。


最初も言いましたが、これは違法行為であり間違いなく犯罪です。


ただ、葬儀職として多くの人の死に接してきた僕としては、


「犯罪だから逮捕ね。本当にひどい医師だ。」


という風な結論には至りませんでした。


安楽死についてはいろいろな意見があるので、僕の結論を理解してほしいとは思っていません。


あくまで


「僕はこう思います。」


ということです。



もう1点、今回の事件で安楽死の肯定派と否定派の意見が衝突することは、僕は大きな間違いだと思っています。


なぜなら、安楽死を肯定することも否定することも感情の問題でしかなく、何度も言うように現在の日本で自殺幇助は違法行為なのです。


ですから、


「賛成!」

「反対!」


といった短絡的な感情のぶつけ合いをするのではなく、議論が必要だと思っています。



いろいろな意味で今回の事件は多くの人の心に大きな衝撃を与えたと思います。


この衝撃をただの衝撃で終わらせるのか、ここから新しい価値観を模索するのか、


「何かを感じた」人達の行動によって変わってくるのかなと思います。



実はこの事件が発覚した後、週間文春さんの取材を受けた「くらんけ」さんと少しお話をさせていただきました。


くらんけさんは、先日NHKでも放送されたスイスの自殺幇助団体「ライフサークル」から日本人初の自殺幇助を受けることが決まっている人です。


事件の起こる以前から被害者の女性と加害者の医師と交流があり、相談を受けたり情報交換を行っていました。


詳細についてはリンクを貼りますので文春さんの記事をお読みください。


https://bunshun.jp/articles/amp/39298?page=1



先ほど僕は今回の事件で単純に加害者である医師をひどいとは思えなかったと言いましたが、記事を読んだ皆さんにもいろいろ考えてほしいなと思いました。


また、記事だけではなく被害者女性と加害者医師のSNSアカウントは現在も残っています。


くらんけさんの取材記事の内容と事件におよぶまでの2人の思いや考え方を知ることで、報道されている情報だけでは感じられなかった思いを感じられるのではないかなと思います。


ただ、何度も繰り返しますが僕はそれを感じられない人と言い争いをしたいのではなく、感じられない人との間にあるギャップを議論したいのです。



今回の医師の行動が間違いなく違法行為であり犯罪であったとしても、それが生命倫理的としてどうだったのかということです。


僕は、「死にたい」と思うことを許される社会になったら、自殺者は今より減ると思っています。


死にたいと思う人に対して「生きろ!生きろ!」と言うだけでは無責任だと思うのです。


なぜ死にたいと思うのか。


そこに寄り添って支援することで初めて生きたいと思う気持ちが湧くと思うのです。



最後に、葬儀職としてお伝えできることとして日本における三大宗教の自殺に対する考え方があります。


仏教→肯定も否定もしない

神道→肯定も否定もしない

キリスト教→否定


です。


仏教に関してはあくまで開祖である釈迦の考え方なので、現代の日本の仏教とはかけ離れているかもしれませんが。


この結果だけでもいろいろ感じる人もいるのではないでしょうか。








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